奈良俣ダムは、石を積んでダムを建設する"ロックフィル型式"のダム。
その形状は、コンクリートで固めた直線的な灰色のダムと違い、どこか親しみを感じる。
国内には280以上のロックフィルダムがあり、奈良俣ダムは3番目の高さ(158m)を誇る巨大ダムだ。
大きさを示す具体的な数値は他にもあるが、ここではあえて触れない。ダムマニア以外は数値なんて興味ないだろう。俺だって興味ない。
だから一般向けに分かりやすい例えにする。世界最大のピラミッドより少々大きい。
ピラミッドはロックフィルダムダムと同じく、人間が造った石積の巨大建造物。世界最大のピラミッドは底辺230m高さ144mでエジプトにある。
エジプトに行かなくても、奈良俣ダムへ行けば石積の巨大建造物を間近に見ることができ、さらにはそこを登ることができる。
ピラミッドとの違いは色が白いことぐらいだ。同じようなもんだ、深く考えちゃいかん。
階段は700段もあるので往復するのはキツイが、全部登りきる必要はない。途中まででも十分に圧巻の迫力を味わえるよ。
じゃあ、ちょっくら行ってくるぜ。
(REPORTに続く)
群馬県の山奥にある奈良俣ダム。
比較的走りやすい山道を走っていると見えてくる。
奈良俣ダムはこんな感じ。
どうだい、きれいなダムだろ?
案内看板。
ここが"白いピラミッド"の道だ。
さあ出発だ。
排水吐を通過。
ここからダム湖の水を放流する。
堤下(ダムの下部)からのルートでも下りと登りが混在する。
果てしなく積み上げられた白い石。圧巻の迫力。
特にメインとなる絶景ポイントがあるわけでもない。
一歩一歩がそれぞれ絶景ポイント。
そろそろ中腹まで来たかな。
真ん中に見えるのは管理用通路。細く小さく見える。
しかし、あそこを人間が歩くことを考えれば、このダムの巨大さが分かる。
果てしない石積みの光景と相まって、非日常感はかなり強い。
ずいぶん登った。
踏破しなくても十分に圧巻の迫力を味わえる。
無理をせずに引き返すのもアリだ。
踏破して天端(ダムの上部)に到着すれば、静かな奈良俣湖が出迎えてくれる。
ダムに興味が無くても、石積の巨大建造物を味わいたいなら行ってみる価値はある。
白いピラミッドの散歩は楽しいよ。
(おしまい)