宗谷丘陵は約2万年前に形成された。
        長い年月をかけて地中の水分が凍結と融解を繰り返し「なだらかなデコボコ」の形状になる。
        これを周氷河地形と呼ぶが、国内では宗谷丘陵と兵庫県の砥峰高原で確認できる、非常に珍しい地形だ。
        宗谷丘陵には元々樹木が生えていたが、明治の山火事で消失してしまい、未だに回復が出来ていない。
        そのため地形がハッキリと見える景観になっている。
これらの理由により、宗谷丘陵の中を走るドライブは、ほかでは味わえない特別な車窓となる。
        見える景色は「なだらかなデコボコ」の丘陵だけだが、初見のドライブなら飽きることは絶対にない。
        むしろ、この道が永遠に続けばいいのにと思うほど。
俺は日本の色々な道を走ったが、閉鎖前の乗鞍スカイラインと比肩するNo.1の道だ。
今回記載するのは宗谷丘陵を真っすぐ北上するルート。
その他におすすめのルートが2本ほどあり、むしろこの2本のルート(下のマップで灰色のルート)こそが王道の宗谷丘陵堪能ルートかもしれない。
        それの模様についてはまたの機会に。
        (REPORTに続く)
        
        道道1077号線は北海道を横に通る道。
        道道889号線は縦に通る道で宗谷岬方面へ向かう。
        今回は889号線で宗谷丘陵の中を走り、宗谷岬をゴールとしてみる。
        道道889号線に入った。
        暫く丘陵の様子は伺えないが、おそらくこの辺りも宗谷丘陵の前衛的な地形なのだろう。
        そろそろ周氷河地形っぽくなってきた。
        これが首都圏近郊なら週末毎に大渋滞だな。
        人間の立入りによる継続的な負荷で、この環境を維持できないだろう。
        この丘陵は日本の最果てでよかった。
        まあ、ここを走っている俺も負荷を掛けている一人なんだけどね。
        ごめんなさい。


        宗谷丘陵の中では人工物がほとんどない。
        そのため風車が目立つ。

        すぐに通過するのは勿体ないのでゆっくり走る。
        ここで右折。宗谷岬に向かうこの道は「宗谷周氷河ロード」命名されている。


        宗谷周氷河ロードに入ると、海が見えてくる。
        ゴールは近い。
        この右にある駐車場は、宗谷岬の高台にある宗谷岬公園駐車場。
        トイレもあるので、ここで車中泊する人も多い。
        高台から急坂の小路を下ると宗谷岬。
        着いた!
        来た道を引き返して、宗谷丘陵をもう一度走る。
        ついでにラーメンを食べに行く。
        宗谷丘陵から車で30分、小さな集落にある食堂の「わさびラーメン」を食べる。
        俺の中では宗谷丘陵とわさびラーメンはセットになっていて、毎回食べている。
        興味があれば「稚内 わさびラーメン」で検索してみてね。
        (おしまい)